六斤の家庭教師その③~驚くべき提案

「六斤母親」と言って、折り入って話があるという感じでダイニングのイスに座る先生。「ガスの火は点けっぱなしでないですか?」と。んんん?なんの話?長いのかな。

先生は話します。

これまで勤めていた晩託班(宿題塾)がビル全体の改装工事により立ち退きになってしまった。自分はまた新しい塾で教えることになった。それで午後ちょっと時間ができたから

これから六斤を毎日学校まで迎えに行って家まで送ってあげる。

と言い出したのです。

「えっ!?ちょっとこの人私の身内でもないのに何で??」と内心びっくり

先生はにこにこして「これは私のまったくの親切心からだ。六斤を特別に思っている。」と。

ぎゃー。おかしい。これは即座に断りたい。

でもワンクッション置こうと思い、「それはありがとうございます。夫とも話し合いますね~」と返答。先生は六斤の部屋に戻り「これから先生が迎えに行くぞ」六斤「やったー!」と二人盛り上がってました。

翌日。私の中国生活の羅針盤・アイに話すと「何それ!ダメダメ!身内でもないのに。何か目的があるはず。」と言った後で「今ニュースで女生徒に性的ないたずらをする教師の話も多いから気を付けて」と。さすがアイ・・・中国社会の辛酸をなめつくしてきただけある。最悪の事態を想定するんだ。「まぁ、大方たくさん恩を売ったところで『給料を上げろ』だと思うけれど~」という話に落ち着きましたが。

今アイは昼間3時間来てくれていますが、六斤の登校時間の朝8時と六斤のお迎え時間の15時半と分散して来てくれ、私は基本的に六斤の送迎時に豆豆を連れて出る必要がなくなっています。それに加え、先生が六斤を迎えに行ったら私は母親としての勤めを果たしてないじゃん、と。

また登下校の時間は六斤と私、貴重な二人きりの時間でもあります。普段豆豆を先に見てばかりで、なかなか六斤をゆっくり見ていない。登下校の時間は六斤の手をつなぎ、ふざけあっておしゃべりして、という母子の貴重な時間に感じていました。それが下校時の分なくなるなんて私も寂しい。

そこら辺の事情を説明し、更に「先生のような立派な方にお迎えを依頼するのはおかしい。先生はアイじゃないから」と付け加えると、先生も納得してくれた感じでした。その断りのメッセージ以降、連休だったこともあり先生は我が家に来てません。

さぁ、次は何を言ってくるかな、何を持ってくるかな・・・・はぁ。ただ六斤を教えてくれるだけで本当に、本当に構わないんですが。