子供の母語を作ることの大切さ

前回の記事では温かいメッセージの数々・・・ありがとうございます。

ブログのコメント欄廃止します
ここしばらく考えていましたが、この度ブログのコメント欄を廃止することにしました。 特にここ半年ほど、心無いコメントやメッセージが来るこ

公私ともに心配してもらっちゃいまして・・・人の温かさに触れると心の傷も癒されますね。

おかげさまで前向きな気持ちでまたブログを書いていけそうです。

さて、今回の話は下の子の話。

ここ半年以上私の頭を悩ませた下の子・豆豆(ドードー)の発達。現在2歳4か月。特に言葉が遅い、粗暴や多動が疑われる行動が気になるところでした。

親としてできるだけのことをして、豆豆の生きにくさを取り除いてやろうとあの手この手。様々な親子教室に出向き、日本でも児童館や病院の言語訓練も受けました。

現在、そこでやってきたことの一定の効果が出たように感じています。ただ、この効果が訓練によるものであったとしたら、このペースを崩したくなく、上海でも日本語で発達のサポート訓練(療育)が受けられる、という話も聞き、その医療機関を知ることができました。まずは医師による診察が必要とのことでそちらの診察も上海戻りと同時期に申し込みました(すぐには診察できず、現在待機中。)

先ほど、豆豆に一定の効果が出たと書きましたが、実際、豆豆、日本から戻ってきたらめっちゃ落ち着きました。

そのビフォーアフターたるや・・・某所で「豆豆クン、どうしたんですか?すごい落ち着きましたね!」と驚きの声もいただいたくらいです。

その豆豆の変化ですが、まず

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言葉が順調に出だす

日本でモノリンガル環境に置かれた後の豆豆、言葉を自ら発するようになりました。それまでは促しても嫌がって「あっ、あっ」でほとんど全てを要求していた(またこれを解読するのが大変だった 笑)のですが、「ちょうだい」「とって」「あけて」などが出てきました。

また2語文もちらほら出ています。今の時点で2語文が出るようになれば月齢通りといったところ。

たくさん豆豆に話しかけ、絵本を読み聞かせしてきた成果がここにきて出てきた感じです。絵本も最初はめくることだけが好きで、開いたらすぐ閉じたり、膝に乗せないと最後まで聞かない豆豆でしたが、今や私に絵本を持ってきて「読んで」と言ってきます。感涙。

名詞が一気に増えたきっかけはこの絵本のおかげ。まだ年末まで早いですが「絵本・オブ・ザ・イヤー2018」あげたいくらい感謝してます。

食べ物大好き、いちごだけは指差しで応答したり熱心に探す豆豆にと、帰省先の日本の図書館で借りたこの本。まずこの絵本の中の果物の名前の指差し応答→名前を言える→色も理解して言うようになりました。赤青黄色の原色が分かればいいやと思っていたら、緑、紫やだいだい、黄緑も理解できるように。ほんとこの絵本にめぐりあえて感謝感激です。

うれしくて上海戻る際にはシリーズもそろって購入。どれも豆豆の愛読書になっています。

また、ベストセラー「しろくまちゃんのホットケーキ」も食いしん坊の豆豆にはヒットし、絵本の一節も「ぽたぁん、どろどろ・・・」と出てくるようになりました。

日本に行くまでの豆豆、「パパ、ママ、ジエジエ、ごはん、バス」くらいしか話さなかったんですよ!今は意味ある単語がずいぶんと増えました。二語文が出るなんて遠い遠い先のことと思っていたのが、もうポツポツ出ているなんて感激でしかありません。

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やたらと走り回らなくなった

これまでの豆豆は外でしぶしぶ手はつなぐものの、嫌々でまるで綱引きやってるみたいになってたことも。手を一瞬でも放せばパパ―っと鉄砲玉のように私を振り返ることもなく走り去ってしまう。

以前なんてマンションの門のカードキーを取り出すために手を離した瞬間駆け出し、あっという間に見えなくなってしまいました。マンション敷地内掃除しているおじさんに「この子、足速いね~。」と笑われてました。

それが今はどうでしょう。手を放しても豆豆はそこに留まる、私が歩いているならそのペースに合わせて自ら歩く。不用意にダダ―っと走りません。ただやっぱり子供なので、興味あるものがあればそれに向かって行ってしまうものの、以前と異なり、一定の距離を走った後は私を確認しています。そして私の姿が見えなければ不安がるようになりました。

今はワンコの散歩の時も豆豆を同行できています。以前でしたら豆豆は手を振り切って走り去る為、ワンコのリードを持つと同時に豆豆の手を引くなんてとてもとても無理でした。

この変化にはアイ(お手伝いさん)もびっくりで。豆豆はアイと一緒の時も同じように行動できているそうです。

粗暴さがめっきり減った

以前は「俺に近づいたらケガするぜ」を地で行くほどの乱暴っぷり。

物は言うまでもなく、人を叩いたり噛みついていたり。六斤に対してもあり、「お姉ちゃんにどうしてそんな事を!」と大層心痛めていましたが、今はそれもなくなりました。

夏休みできょうだい一緒にいる時間が増えたこと、六斤も言葉の訓練に参加してくれて豆豆への言葉かけのコツを学んで(日本語のみにする)コミュニケーションがとれるようになりました。

豆豆は他の子供に対しても手が出るため、マンション内の子供の遊び場へ行くと神経すり減らして見守り、子供が豆豆に近づいたらすぐさま引き離してました。

実は・・・一度アイが豆豆を連れて外遊びに出た際、豆豆が他の子をぶち、それを見たその子のおばあさんが豆豆を叩いて泣かせたという事件も勃発し、一時期は外に出たくないけど、出ないと豆豆の為にならない・・・というジレンマに陥り大層ストレスでした。

今ではそんな心配要りません。公園ではただひたすら走り回ることもなくなった豆豆は遊具で遊び、同年齢のお友達と追いかけっこをして遊ぶこともあります。

日本から戻ってきたら、こんなに豆豆は変わったのです。この変化に気づいた当初、びっくりでした。

落ち着いた要因は「母語が確立したこと」

どうして豆豆がこんなに落ち着いたのか、考えました。

それは何と言っても「豆豆の中で母語が確立したこと」です。

これまで六斤がバイリンガル化に成功したことであまり気にしていなかったのですが、

六斤は2歳半まで日本在住でオール日本語の環境にいたのです。しかも8か月から保育園児。多くの子供がいる中で日本語を豊かに養っていき、しっかりとした母語の柱ができていました。

それに対して豆豆。中国生まれで家族以外は日本語を話さない。出入りするアイは中国語。きょうだいの六斤は平日学校と宿題塾に行っている関係で寝るまでの数時間しか顔を合わせず、しかもパパとは中国語、ママの私とは中国語と日本語が混在。以前は日本語のTVすら我が家にはありませんでした。

これでは豆豆の日本語のインプットが潤沢にあるとは言えません。

豆豆は言葉を話したがらないことがありましたが、これは母語が定まらないことによる混乱が豆豆の中で起きていて、日本語と中国語どちらで言えばいいの?となっていたんだと想像しています。

母語が定まらない混乱は心理面や思考にも影響を及ぼします。なんてったって自分の思いを伝える言葉が定まらないんです。それは不安になりますよね。相手も何を言っているのか分からないし、自分もどう言っていいのか不明で。そうしてとりあえず手が出て目の前の人を退けてしまおう、という事になっていたのかな、と。

粗暴さは豆豆自身にも出ていました。要求の際、自分の頭をぺんぺん叩いたり、壁やソファに頭をぶつけることで要求を通していました。この現象、以前医師は「手加減してやっている。言葉の発達と共に消滅する」と言ったものの、義母は大変驚き、即刻児童精神科に連れて行くように阿財に話していました。

こうした事態には、日本と中国、どちらの専門家からも母語を統一することを勧められました。

「これからも中国に住むのなら中国語で一本化しては」とも言われたものの、日本人の私、とっさに出る言葉は日本語です。阿財とも日本語で会話しますし、今家庭内言語を中国語にすることは私には無理です。

そうして決まったのが、豆豆には日本語を、の徹底化です。ちょうど日本への一時帰国も相成り、これまでの様々な取り組みの成果が生活が実を結んだ、という形に至りました。

上海生活者に話を聞くと・・・

この話を上海に住む友人に話をすると、「うちも言葉が遅くて」「うちも」という声、かなり多かったです。また、多動や自閉的な症状が一時的にあったりも。多言語環境というのは子供の発達にも大きな影響を及ぼすと感じました。

私にとって意外な事は、日本人夫婦で日本語オンリーの家庭であっても、お子さんの「言葉が遅い」、「走り回る」、「集団生活になじむのに時間がかかった」という話。

よくよく考えれば、いくら便利とはいえ上海は海外です。家を一歩出れば中国語の世界。日本のように整った図書館もなければ、無料で使える設備が整った児童館もなく、気軽にできる育児相談もありません。自然いっぱいの郊外の公園で子供を思い切り走り回らせるのも、上海では難しい話です。

↑一時帰国の時に毎日のように豆豆を走り回らせた公園

こちらの子供の遊び場は1時間80元とかゆうに取りますし。子供にお金を豊かにかけるお国柄、これまで一人っ子政策だったこともあり、子供関連の出費は日本より高くつきます。

中国では乗り物やお店の中での子供への対応は日本より幾分優しいとは言え、子連れでの外出や移動も気を遣います。事故や誘拐にも気をつけます。必然的に家に閉じこもってしまうご家庭も少なくないでしょう。

家事育児の助けとしてアイもいますが、日常会話レベルの日本語が話せるアイはまずいません。やはりどうしても環境づくりに気を付けないと、お子さんによっては言葉の発達の面で日本在住の子供と差が出てしまうと思います。

上海の日本人家庭では2歳児で幼稚園の就園は珍しくないと聞きますが、それくらい早くないとお子さんが子供たちとノビノビ遊び、言葉をはぐくむ環境すら得ることが難しいのだと思います。ママにとってもここでの生活は日本の生活よりもストレスが多い毎日、更に育児が重なれば負担も大きいはず。お子さんを早めに就園させてママもリフレッシュできることは親子共にいいことです。むしろ上海の日系託児所は日本人が多く住むエリアにあるため、その点では恵まれています。中国では上海以外では日系託児所は聞きません。

先日、豆豆風邪のため、日系クリニックに行った際、豆豆より数か月大きい位のお子さん連れのママがおり、話すと「今、週3日託児に預けています」とちょっと遠慮がちに話していましたが、ほんと、遠慮がちに言う事ない!それでいいのよ~と思います。

とりあえず、豆豆について差し迫って感じていた困りごとの大半がなくなったことで私も阿財もホッとしているところです。外出もずいぶん楽になりました。

問題行動の数々がおさまり、語彙も増えた豆豆ですが、これからどのように発達していくかはまだまだ未知数。大きく伸びた豆豆の発達のペースをここで止めたくありません。なのでここ上海でも改めて医療機関の受診を受け、豆豆に訓練など(療育)が必要であれば受けさせようと思います。

お子さんの特性や性格によって発達の状況は異なります。これはあくまでも豆豆の場合の話です。豆豆は多言語環境下では多言語をスムーズに吸収せず、混乱してしまうタイプの子供でした。もちろんそうでないお子さんもいます。お子さんのタイプや特性を理解した上で育児をしていくことが必要です。何かお子さんの発達に疑問に感じる点があれば、専門の医療機関での診察や相談をおすすめします。

追記:上海の日系発達外来に行きました

この夏の成長の伸びが著しかった豆豆。この成長の伸びのペースを停滞させたくないと情報収集をしていたところ、

上海でも日本語で発達障害のお子さん向けの訓練(療育)をしている

という情報をいただき、その窓口となられる方の診察を受けました。

受診予約をしたところ、日本から月一回来ている心理士さんが見てくれるとのことでした。予約した時点で日本から上海に戻ったばかりのタイミングで数週間待ちました。

そして臨んだ受診日。心理士さんはとても穏やかで温かな印象の方でした。これまでの経過を話し、その傍ら豆豆が遊ぶ様子を見た心理士さんが、「療育を受けさせたい」という私に話した言葉は

今差し迫って療育が必要なように思えないけどな・・・。

でした。

・2歳という事もあり、診断はできない(そもそも診断は医師)。豆豆にははっきり自閉症の症状がないとも言えないし、あるとも言えない。

・自閉症の特徴的な症状として挙げられる症状は定型(健常)な子供にも見られるもの。ある程度の成長の凸凹はどの子にもある。得意な事を伸ばしていってあげればいい。

・お母さんこれまで頑張ってきたことすごく分かります。これからは広い心で豆豆の成長を見て行ってあげてね。

私には意外でびっくりしましたが、多くのお子さんを見てきた心理士さんの言葉です。これからはその言葉を信じて豆豆と向き合っていこうと思います。

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