「中国人と結婚するということ」を考えさせられた出来事。

中国に住んで7年目に入ったわけですが、幸いにしてこれまで中国で「日本人であること」が理由での差別傷ついたことや、大きな不利益を被ったことはほぼありません。

阿信
前アイのことは・・・あれは私が日本人であることが理由でなくてアイを無防備に信用しすぎた結果という、性格によるものだと思っています。微信の名前で「小日本人」という呼称にされていましたが、差別までは考えてなかったでしょうし。

スポンサーリンク

日本人ということで中国人から罵られた

ただ、一度、中国で私が日本人があることが理由で面と向かって罵られた経験があります。

13年前、阿財と結婚したてのとき。


したてもしたて。

阿財の故郷で挙式してお祝い事が終わって日本へ帰る途中のことだったんです。

私たち挙式した時、義父は大病を患っていて手術を受けたばかり。式への出席はできませんでした。

省都・済南の病院に入院していて、式の前に青島から列車で済南へ行き、また式の後の報告で済南の義父に会ってから列車で青島へ向かい、日本へ帰るという予定でした。

スポンサーリンク

式も済んで阿財の故郷を離れるバスの中で

事件が起こったのは済南へ向かうバスの中で。

阿財の故郷の街から済南まではバスで3時間ほどかかります。バスに乗り込むときはそれこそ、押し合いへし合いの席の取り合い。チケットに席番号が書いてあるのですがそんなのどこ吹く風。早く座らないと通路に立つ羽目になります。

なんとか阿財と並びの座席に座り、見送りに来ていた義母に手を振りました。義母は外国暮らしをする息子が心配なのでしょう、私たちが日本で生活していた時は別れの時はいつも涙していました。

私もちょっと涙ぐんで手を振ってバスが出発。

阿財の故郷の街、前に来た時より開発が進んで、阿財が日本へ行ったときにはなかったようなおしゃれなお店もちょこちょこ見られるようになっていました。

私がそんな街並みを見て「すごいね。どんどんあなたの故郷も豊かになっていく感じがする!」と楽しく話していました。

※当時も今も私と阿財は日本語で話します。

私を何度も見る男

阿財と話している中、気になる事がありました。

前の座席の若い男が私の方を度々振り向くんです。しかも普通でない。かなり陰険な目つきで何度か。

楽しい気持ちで話している私も、だんだん「なんかこの人変」と気づきました。

そしてその男がまた振り向いて来た時に阿財に「この人ちょっと怖い。なんでこっちをこんな風に見るの?もう何度もだよ」と言いました。

その前からその男が後ろを向くたびに私と短い時間目が合う感じだったのですが、その時はもうじとーーーっという感じで。

それでその男、私に聞いたんです。

Are you Korean or Chinese?

と。

私が

I’m Japanese.

と答えました。

すると男

Fucking Jap! Shout up!

とすごい形相で私を睨みつけながら怒鳴りました。

私呆然

ショック。

確かにその当時、日中関係は政治的にぎくしゃくしだしだした時でしたが、これまで中国で出会った人たちは誰も親切だったし、義両親も親戚も阿財の友人もみんな私を歓迎してくれていました。

おまけに私は挙式が済んだばかりで、これからの阿財との生活に夢や期待がたくさんあって、バスの中で阿財の故郷の街が発展していく様子に驚いて、それと自分たちを重ねるような気分でこれから先きっとよくなるね~とそんな希望のある話をしていた。

阿信涙した

そんなもう人生で一番といってもいいくらいの浮かれた気持ちを一瞬でかき消す罵り言葉。

ショックで涙が出ました。

まだ20代で未熟だったのと、中国語ができなかったことで私の悲しい、悔しい気持ちを前の男にぶつけることもできません。ただ窓の外を見ながら涙しました。

窓の外の景色を楽しむ心の余裕ももうありません。

阿財は前の男と話していました。中国語が分からない時だったし、あれから私もこの話を阿財に話すこともしなかったので、何を話しているか、その後も何を話したのか詳しくは知らないのですが、男は最初感情的でしたが、だんだんとトーンダウン。阿財は終始冷静に話をしていました。

男が私を罵った理由

後で阿財が簡単に私に説明したことによると、当時の小泉総理が靖国神社参拝をしてそれでその男は日本が大嫌いになったと。だから日本語を聞くのも嫌だし日本人が近くにいるのも嫌なんだと。だから黙ってほしいとのことでした。

阿財と話すにつれ、男は「日本人の中にもいい人がいるのは分かるが、とにかく俺は日本が嫌い。これ以上話しても無駄だ。」という結論が出、阿財と男の話は終わりました。

私、もう阿財ともおしゃべりする気もなれず、済南に着いてバスを降りるまで私は無言でした。それ以前に阿財がずいぶん長い時間前の男と話をしていて、おしゃべりどころじゃなかったんですけれど。

済南のバスターミナルに着いてバスを降りた時、なんかひどく疲れました。

これが中国人と結婚することなのかって感じました。

そのあともいい気分にはなれず日本へ帰国

そのあとにタクシー乗って義父の入院する病院へ向かったのですが、そのタクシーに乗るときもガンガン怒鳴るドライバー(当時は中国語わからないので、語気が荒いだけで内容は普通だったかもしれないけど)に遭遇し、もう「日本に帰りたい・・・」と思うように。

義父と話した後、済南駅から列車で青島へ。青島は行くときに市内を観光した時に気に入ったお土産があって。それを帰りに取りに行くので包んでおいてね、と話していたのですが、お土産を買う時はとても愛想良かったお店の人が、今度訪れたら人が変わったようにめんどくさそうに包みを渡してきました。ホテルに戻って開けてみたら一部破損していて。「持ち運びが悪かったのかな」と阿財と話しましたが。

そういう事もあって、なんか「行きはよいよい帰りは怖い」みたいな感じで。挙式の為の中国行きが終了。日本に到着したときは心底ほっとしたのでした。

阿財と結婚してすぐにこんな事が起こり、中国人と結婚するということとか、中国と日本の抱える問題的なことにも注意するようになり、そういう知識が自分を守ることにつながり、結果としてこれだけで済んでいるのかもしれません。

今振り返ればあの出来事がきっかけで考えたこと、調べたことは今の私の考えのコアになっているところも大きく、あのつらい経験は私の中では貴重で意味があることだったと思います。

それ以降、中国で会う人たちにはよくしてもらってます。内心何を考えているかまでは知りませんが、少なくとも実害はありません。涙を流すほどつらい気分になったのはこの位です。若かったという事も敏感に受け止めた原因だったかも。

今でも時折起こる日中の政治関係悪化。矢面に立つのは在中国日本人

数年おきに起こる、一時的な日中の政治関係の悪化が私のこれまでの中国生活でもありました。タクシーに乗った時に運転手の態度が悪いとか。その時は私も中国語が話せるので、「政治関係を日本の一市民に言うのは間違っている。日本人の中にもいろいろな考えがいることを知って。」と話しています。

まぁ多くが「中国人の旦那さんがいるの?もう俺たちとは仲間だ。」くらいに言うのでそこまでのトラブルになることはないのですが。以前六斤と病院行くのでタクシーに乗ったら「安倍総理はアメリカの犬だ」と運転手が言ってきて、六斤がそれを未だに憶えているのが困りもの。

第一、中国に対して過激なこと言う日本人って日本にいるんで(彼らはお金出されても中国なんか行くか!っていうスタンスでしょうし)、そういう人の発言が中国でクローズアップされると被害を受けるのは結局、私たちのような中国に住むいち日本人なんですよね・・・。

そして日本に住んでいる留学生などの一般中国人たちも、日本で嫌な気分に遭う事もあるでしょうね。阿財も実際日本に住んでいる間にありましたし。その話はまた別で書こうと思いますが。

日中政府間のゴタゴタがないように祈ることが在中国の日本人にできることです。来るトラブルに備え、何が問題なのか調べてみる事、トラブルを回避する術を身に着ける事も大事ですね・・・。

にほんブログ村 海外生活ブログ 上海情報へ

当時読んでいて印象的だった本

そんなショッキングな事があった後、自分の中で「中国ってどんな国なんだ」という気持ちがむくむく沸いてきてたくさんの中国に関わる本を読みました。

中国崩壊論の方が断然売れるので(笑)なかなか良書を探すのが大変。あと当時は中国が台頭し始めで沸いていた時期でもあり、経済関連の本も多かったですね。そこらへん抜きにして今でも印象的な本を挙げると

上海に住んでも住んでいなくてもこんな視点で自分が住む中国の街を見れたらいいと感じる。
上記2冊あげつつ、彼の著作を最初に読むならこの本からの方がライトな感じでいいかもしれません。
田島先生、こうした一連の中国に関する複数の書籍を一時期出すも、以降は研究者としての本分に目覚めたのか一般の書籍の出版は下火になってます。慶応SFCの教授だそうですが、ナショナリズムについての本を書いた後は中国語のテキストくらいで。論文を調べるたら、今でも中国について色々書いているかもしれませんね。

あと、上の本を読んでもなお、私のような視点で中国について知りたいと言う方はこれがいいかな?一度読んだら忘れられない。よくまぁずばずば言うわ、すごい著作、と個人的には思います。執念すら感じる。

ベストセラーになった「大地の咆哮」も彼の手にかかればそうかそんな視点もあるのかと。「大地の子」じゃなくて「大地の咆哮(ほうこう)」ですぞ。私もそんな感じを薄々感じていたものの、どう言葉にするものなのかと考えていたのをこの本でズバッと書いてあってスッキリしました。

でも今や絶版な上に中古本1円って・・・。矢吹先生かわいそう・・・。というか世間はやはり崩壊論好きなのね。


というわけで最後は私の読書録みたいになってしまいました。中国行ってからの日本の中国本動向はよく知らないので新しい書籍ではありませんが、今回紹介した本はどれも今でも色あせない中国の本質や事情を記している本だと思います。興味をもったらぜひ読んでみてください。

スポンサーリンク

この記事のシェアはこちら

ブログのSNSフォロー、RSS登録はこちら