夫に上海でパスポートを失くされた話 その1 - Axin(あしん)の日々徒然 in上海

夫に上海でパスポートを失くされた話 その1

パスポート、それは海外では命の次に大事と言われるもの

その保管についてはそれはそれは細心の注意を払っておかねばならないもの。

ましてや海外生活者は日本在住者よりもその重要性がグッと増します。

中国だったら

何かにつけてパスポートの提示を求められる機会がありますし(博物館に入るときとかも)

国際線はもちろん、中国国内の飛行機や高速鉄道(新幹線)に乗る際にもパスポートが必要です。

居留許可(長期滞在のビザ)もパスポートに貼ってあります。

そんな大事な大事なパスポートを

阿財に失くされました・・・・

事の起こりは数か月前。

目次

中国人が戸籍地を移動するのは大変!!

その前からずっと阿財は上海戸籍を取る手続きをしていました。

「戸籍を移転する」

日本人なら本籍地の移動は簡単ですが、中国人は条件や手続きがそれはそれはもう煩雑で。

まず持ち家がその地にあること、

そして

その地で安定した仕事についていること(保険や年金の加入履歴も重要)が

前提条件。

持ち家ね・・・

上海市内なら億近く出さなきゃ無理だわ・・・とその時点であきらめていました。うち日本にも家あるし無理無理無理無理・・・

ただ、阿財の場合

海外留学から帰国した人材ということで、持ち家がなくても上海戸籍がゲットできると。

そして戸籍地は今賃貸で住んでいる場所でとれる、と。

細かく言うと、戸籍の種類が「集体戸口」という、「集体戸口」の事務所所在地の戸籍です。

今賃貸で住んでいるマンション、億超えです。そんな高級エリアの住所が身分証に載るの?!すっげー。

ひゃほーーい。億節約できた!

と我が家沸きました。

そもそもなんで阿財は上海戸籍がほしいのか

中国で最も経済的に発展している大都市上海の戸籍、「私は上海人です」と言うのは、他の地域出身の人とは違ったステータス感があるとも言われます。

一体阿財はなぜ上海戸籍がほしいんだろ、そんなミーハーな性格じゃない筈なんだけど、と聞いてみたら

上海で家を買いたい。住宅ローン申請の資格に上海戸籍が必要だから。

い、家~!!

ちょ、ちょっと上海の家って・・・いくら金があっても足らんがや。

その先のことを見据えての行動だったのね、でも阿財はしがないサラリーマン、その収入源一馬力(阿財のみ仕事してる)。戸籍があっても金はないよ!と言うと、

既に戸籍移転の手続き代行エージェントに頼んでいるそうで、着手金も支払い済みだと。

費用は15000元。手続き開始時に7500元を支払い、上海戸籍が無事に取れたら残金7500元を支払う仕組みだそうです。

えー、払っちゃったの!?

まぁ戸籍を取ったその先のことは知らないけど、上海戸籍を取るためにがんばったらええんやん?ということで手続きを進めました。

戸籍移動の手続はとにかく資料集めがめんどくさいことこの上なし

条件満たしているなら申請すればいいんでしょ?と簡単にいかないのがこの手の手続き。

条件を満たしていることの証明を集めないといけないんです。

学歴と職歴の証明

高校卒業以降の学歴証明と職歴証明をもれなく集めないといけません

特に阿財は日本に留学&仕事していたので日本の学校&かつての勤務先にも卒業&退職証明を依頼しないといけません。

学校発行の各種証明、学校によっては「窓口に来ていただきます」とか「日本国内受取人への郵送の場合、定額小為替を同封して。あと委任状は本人直筆で・・・」とかで融通度が低い。

かつての勤務先への退職証明も10年以上経っての連絡&依頼だったりで。

ほんと、退職証明なんていつ必要になるか分からないものですね。やはり職場は円満退職するに越したことはありません・・・(かつてナイフみたいに尖っていた私(笑)。かつての職場の皆さまには迷惑をかけました。)

提出先は中国ですので、日本文NG。英語で全て作成したものです。

めんどくさい、めんどくさい・・・

そして学校の場合、英文の成績証明や卒業証書の原本まで必要だったり。

ほんとね、卒業証書をちゃんと取っておいてよかったです!!

あと学校関係の資料で言えば、卒業した海外の学校がちゃんとした正規の学校ですよ、という証明もまた必要で。

現在の中国戸籍

また、現戸籍も必要です。

日本みたいに役所が戸籍を管理していて、手続きが必要な時にコピーを取る、というシステムでなく、中国は戸籍の当事者が戸籍簿原本を管理しているため、この世にこれ一通しか存在していません。なので山東省の義実家から宅配で戸口簿(戸籍)を送ってもらったり。

戸口簿は身分を証明する最重要書類のため、これが紛失したら中国人にとって超絶一大事。でもハンドキャリーするには泊りがけの距離なので宅配で送付してもらいましたが、最初はほんと、おっかなびっくり。使ったら速攻で返却していました。

家族の身分証明

更に、家族である私たちの身分証明も必要。パスポートだけでなく、結婚証(私たちは結婚証がないため、日本の戸籍謄本を認証受けたもの)、中国生まれの豆豆は中国籍があるとみなされている日本国籍者というややこしい状況なので、出生証明やら直近の通行証やら必要でした。

もうほんとね、ここまでめんどくさい手続きするなら上海戸籍なんていらねーよ!!と言って投げ出したくなるくらいめんどくさい。阿財も仕事を休んで資料集めに何度も奔走しました。日本からEMSで送られてきた退職証明がなぜか紛失して再発行したりも。

こ・・これで正式に申請できる!と窓口に資料を持って行っても

「あ、これ足りない。また持ってきて」となることも数度・・・。

そんなこんなで阿財何度目かの申請へ。

パスポートを失くした運命の日

その日の朝、「家族分のパスポートを持って行く」とかるーい感じでパスポート入れを持って行った阿財

私が冗談で「これなくなったら大変だね!ちゃんと持って帰って来てよ。」と冗談言って送り出しました。

その日は特に用事もなく、私は家にいたのですが、1時間ほど過ぎたところで阿財から電話が

出ると

「嫌なことが起きた」

と言うのです。

えっ何?

「あなたのパスポートがなくなりました。」

もう一発でこの表情っすよ。はぁっ!?お前何言ってんの状態ですよ・・・。

阿信「ええ??ど、どういうこと?」

阿財「申請先でコピーを取ってもらったら、返却してもらったときに『奥さんのパスポートがありません』と言われました。」

阿財「外出時にあなたのパスポートを持って出たのは間違いないです。」

そうよ、私もパスポート入れに家族分4冊あるの見たもの。でも万が一、と思い、いつものパスポート保管場所を見ましたが、無情にも空っぽ・・・。

これは一大事よ!草の根を分けても捜し出して!!今歩いてきたところ、ルートをよくよくもういっぺん見て!

と言うのが精いっぱい。阿財も探すというので電話を切りました。

その後私のパスポートを探した阿財ですが見つからず。どうしようもないので帰宅するとのことでした。

パスポートをなくしたら何をすればいいのか

パスポートをなくした・・・

精神的打撃がけっこうすごい

前も阿財、自分のパスポートを紛失したことがあったのですが、中国人はパスポートの他に身分を証明するIDカードがある為、それで飛行機や高速鉄道には乗れます。国外の移動の時に不便が生じるのです。

命の次に大事なものを失くした男
海外生活をする者にとってなくてはならないもの・・・ それは パスポート パスポートがないと外国へも行けない

でも外国人の私は中国発行のIDカードがありません。

今、身分証を、と言われたら、私が誰であるかを証明する手立てがナッシングなんです。

なんという根無し草感・・・

荒野にぽっつり置き去りにされた感・・・

探しても出てくる見込みは極めて低いですし、誰かに拾われても、落とし物には謝礼を渡すのが当然の中国。「これっぽっちしかくれないなら返さない。」など揉めるリスクも存在します。

いち早く再発行に向けて動こう、とまずは何をすべきかリサーチ。

領事館HPでパスポート再発行の手順を確認

こういうときは領事館HPよ!とばかりに在上海日本国領事館HPに流れが書いてありました。

画像ソース

最近流れが変わったかも?と領事館に電話をして問い合わせると、「変更なし」とのこと。

となると最初にしなきゃいけないことは、

最寄りの交番へ行って「事案発生証明」を作る、かぁ・・・。

夕方、疲れ果てた感のある阿財が帰宅。

開口一番「申請先窓口でコピー取ってた人が怪しい!絶対パスポートがあったはずなのに!」と言っていました。

この阿財の開口一番の言葉が後で大変な事態が起こる伏線になります。覚えておいてくださいませませ。

念のため、と阿財のカバンやらポケットを相当相当念入りに調べさせてもらいましたが、私のパスポートはありませんでした。

他の家族のものはちゃんとありました。なぜに私のものだけ??これ以上の被害の拡大を防ぐため、全ていつもの保管場所であるカギがかかる引き出しにしまいました。

ミッション1:交番で「事案発生証明」を作成

交番に行くときは阿財に同行してもらいました。

領事館HPにある通りに告げれば、警官がその場でPCでパチパチと情報を入力して作ってくれます。

・名前

・携帯番号

・パスポート番号

を聞かれました。上海戸籍申請の関係で、阿財が私のパスポートの顔写真と外国人居留許可のページのコピーを持っていたため、スムーズにことが運びました。

パスポートの顔写真と外国人居留許可のページはコピーやスマホで写真を撮って保管しておくと何かあった時に役立ちます。

ものの5分ほどで「事案発生証明」ができあがりました。

更にこみ上げる悲しみ

それを手に取ると、

ああ。本当にパスポートを失くしたんだ、私・・・

という悲しみがこみあげてきました。

この時1月の初め。そろそろ一か月後の春節を意識して旅行や帰省のチケットを予約したりするのですが

パスポートがなくてはまったく目途が立ちません・・

パスポート再発行手続きで最大のネックが6か月以内発行の戸籍謄本

役所に尋ねると、「委任状を書けば代理人が申請できますが本人直筆であることが必要です」と。

日本にいる代理人に委任状を送らないといけないのか・・・。

ぐちぐち言ってもパスポートが帰ってくるわけではない。色んな手続きを粛々と進めていくしかないのです。

つづく・・・

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