こんににちは~あしんです。
今回は立ち寄り先で見かけてふらっとほじくった、旧フランス租界にある、オールドマンション「ブルックリン・コート」をご紹介します。中国名は「卜邻公寓(Bǔlín gōngyù)」です。「卜」と見るとカタカナの「ト」の方が断然なじみがあるので、ついつい「トリン」と読んでしまう 笑
淮海中路にある無印良品から徒歩数分の近さ、瑞金一路沿いにあります。大通りから見るとこんな外観のマンションです。現在6階建てですが、元々は4階建てで、後年増築しました。
目次
上海街歩き界隈で有名な「十字」
このマンション、上海街歩き界隈でちょっと有名なのが、
二つの棟の間が十字の形で、見上げるときれいな光の十字が見れる「十字天空」になっています。色々古建築を歩いていますが、こんなマンションは上海には他にはお目にかかってないです。
このマンションを建設したデベロッパーの社長が元宣教師であったことからこのような形になったのではないか?との説があります。
意匠のリフレインを探せ!
ほじくりポイントの階段。大きな窓があり明るいです。
階段手すりの意匠。幾何学なデザインです。
こういう意匠は似たような形でも繰り返し使われることがあるので、注意してみたらば・・・このマンションの元の状態の(と思われる)ドアの上部窓に、似たデザインのものを発見!
明るい場所にあるドア。上部の意匠がよく確認できます。
ドアの覗き穴の意匠もちょっと似ている感じします。その後の改修によるものか、ペンキがかなり厚く塗られていますが(汗
ブルックリン・コートのプロフィール
ブルックリン・コートの建築年は1932年とされています。
アメリカ系デベロッパーの「普益地産公司(Asia Reality Company)」が建設しました。普益地産公司は上海旧租界エリアの外国人向け高級不動産の設計、建築を手掛けており、有名どころではコロンビア・サークル(中国名「普益模範村」)があります。
普益地産とコラボをして有名だった設計士に、武康大楼、国際飯店など、上海租界時代に数々の名建築を残した建築家・ヒューデックがいます。
↑旧フランス租界を代表する建築・武康大楼
↑ヒューデック 画像ソース
コロンビア・サークルの宅地開発ではヒューデックが設計総監を勤め、新華路一帯26棟の洋館の設計を手がけました。そのうちの多くが上海市の優秀歴史建築に指定されています。住所でいうと、新華路211-329弄です。
↑以前Youtube「Axinの上海ほじくり」でも紹介しました。
あしんはここ大好きで、隔月で上海旅情報を執筆している「たびこふれ」でも紹介しています。

これはレア!今なお残るロゴマーク
「ブルックリン・コート」の入り口には普益地産のロゴマークが今も残っています。昔のデベロッパーのロゴが今も残っているのは超レアですよ~。
↑「ブルックリン・コート」入り口に残るロゴ
↑コロンビア・サークルの広告に書かれたロゴ
一時期このマンションに「普益地産」のオフィスが置かれていたこともあるそうで、そういったことも関係してロゴが設置されていたのかもしれませんね。
内部の様子と気になる家賃
個室内部の写真を撮る事は今回できなかったのですが、「ブルックリン・コート」の不動産広告を見つけました。2021年6月のものです。
なかなかきれいな部屋・・・窓の作りにオールドマンションを感じさせられますね。2LDK面積100㎡、壁暖房、オープンキッチンとリフォームが行き届いていて・・・
家賃は月23,800元(約40.5万円)!
た、高い~。
そうね、この立地(地下鉄駅至近、栄えている淮海中路にすぐ)に稀少な旧建築だものね・・・・あしんの旧建築に住む夢は夢のままで終わりそうです。笑 でも見るだけでも楽しいんですよね!上海ほじくりサイコー!